7坪ハウスをアップデート。物置場になっているショップのバックヤードを、居心地のよい空間に変えるDIY(前半)

7坪ハウスをアップデート。物置場になっているショップのバックヤードを、居心地のよい空間に変えるDIY(前半)

ずいぶん前から7坪ハウスの懸案事項になっていた、ショップスペースにあるバックヤードの使い方。
どんどん物が増えて、気づけば物置状態。たった半畳のスペースを、仕事場にしたいとひらめいたものの、放置し続けたこの数年間。
いよいよ重い腰を上げてはじまった、「バックヤード改造計画」を大公開。

設計は建築家、製作は自力(DIY)

お店の大きな棚の奥に作った小さなスペースのバックヤード。
最初こそ、そこでお客さんを出迎えたり、ちょっとした作業をしたりしていたけれど、いつの間にやら物置に。

作業場として機能していた、お店を始めたばかりの頃
ここ数年、足の踏み場もない物置状態のバックヤード

そして、フリーランスになりたての数年前、ちょっとひらめいた。
「原稿を書いたりするための仕事スペースにしたらいいんじゃない」
でも、ここ数年、なぜかいろんなことにやる気が出ず、お客さんにも丸見えのスペースなのに、結構ひどい状態で放置していた。

ショップの棚越しに見たバックヤード

「そうだ、仕事場にしよう!」とひらめいてから数年、ようやく重い腰を上げたのはちょうど1年前、2019年1月だった。

↑こちらの取材で建築家が7坪ハウスにやってきたついでに、「バックヤード、改造したいんですよね」と、なんとなく雑談したのが1月の下旬。
「バックヤードを改造したいので、ぜひお願いします!」と、本格的に建築家にメールを送ったのが3月の中旬。
そして、実際に動き出し建築家と打ち合わせを開始したのが6月の初旬。

最初の打ち合わせで建築家に相談したのは、以下の点だ。

「バックヤードを仕事場に改造したい」
「商品や紙袋などの備品をしまっておくための収納を増やしたい」
「設計だけお願いしたい」

3つ目の「設計だけお願いしたい」というのは、費用の兼ね合いだ。なるべく安くすませるために、製作は自力でやることにした(実作業は兄がやるので正確にいえば他力だが……)。

Fikaミーティングで、思いつきをシェア

7坪ハウスでの打ち合わせは、いつも「Fikaミーティング」だ。定番はケーキやクッキーとお煎餅。甘いお菓子としょっぱいお菓子が混在する7坪ハウスのFikaは日本流だ。

お茶とお菓子をお供にさっそくミーティングスタート。

最初は↓この3段のヴィンテージ棚をとり、壁の全面に新たに棚を作って収納を増やす方向で考えていた。当初は仕事をするための机も作ってもらうつもりだった。
それを基準に、仕事場兼収納アップできる機能的なアイデアを建築家さんに考案していただくつもりだったのだが、おもしろいことを考えついてしまった。

「ちょっとおもしろいことを思いついてしまいまして」
建築家「なんですか?」
「3階の小上がりみたいな床下収納にして、畳を敷いたらどうかなと」
建築家「・・・なるほど」
「収納スペースも確保できるし、最初のタバコ屋風イメージにより近づくかと」
建築家「たしかに、収納は増えますね」
「できますかね?」
建築家「えーと、DIYですよね?」
「はい! お金をかけられないので」
建築家「だいぶ、ハードルが上がりましたね(苦笑)」

ちなみに、「タバコ屋風イメージ」というのは、↓こんな感じ。

バックヤードをオープン設計に変更した際に、建築家がイメージしたのが、昔ながらの「町のタバコ屋」だったそうだ。大きな棚を挟んでお茶を飲みながら世間話ができる空間だ。

**もともとバックヤードは独立した空間だったが、ショップと一体化の空間に変更。元の間取りは、↓こちらをご覧ください。

「みんなの家」の移動できる家具を参考

バックヤードいっぱいに小上がりボックスを置きたい、ボックスの上には畳を敷きたい、経費を抑えるために現在置いてある棚はそのまま机として使用し、小上がりボックスを椅子がわりにして掘りごたつのような感じにしたいなど、とりとめのない要望を伝えながら相談していくうちに、なんとなくイメージが共有できてくる。

そこで提案されたのが、建築家さんが手がけた「みんなの家」だ。

たくさんの箱型の家具が自由自在に移動できて、ときには椅子になったり、ときにはテーブルになったり、ときにはベッドになったりする。お客さんの人数や状況に合わせて、いろいろな使い方ができるこの家具たちが、この家の特徴だ。
しかも、これらの家具は施主が友人たちとみんなで作れるように設計するのだという。

まさに、そんな感じ!
ということで、方向性はさくっと決まった。
最後に寸法を測って、最初の打ち合わせは終了。
さて、物置と化したバックヤードは本当に仕事場に変貌できるのだろうか?

計測しながら何か考え中の建築家。
竣工から7年、いまだ施主のわがままにつきあってくれる
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