スウェーデン人は日々の食事作りにあまり時間をかけない。
にもかかわらず、Fika菓子を手作りする人が多い。
家事をラクにしたスウェーデンの三種の神器
それはなぜなのか?
スウェーデン人にとって「Fika」がとても大切な存在であることが大きな要因ではあるけれど、実はそれだけではないことを、スウェーデン菓子のレシピを見て納得した。
スウェーデンは、世界的にみても女性の社会進出がはやかった。1950年代後半からはじまった女性の社会進出に合わせて、さまざまな部分で家事の合理化が検討されたという。
例えば、家事をラクにするための三種の神器、食洗機・オーブン・冷蔵庫が、アパートメントの標準装備になったり、手の届く範囲に収納スペースをつくるといった動きやすいキッチンの設計などだ。そのため、昔ながらのキッチンはそれほど広くはない。
工夫されたスウェーデンのお菓子レシピ
そういった検討の一環として見直されたのが、なんとレシピの表記だったという。それまでは統一されていなかった材料の「量」と「重さ」を「dl」(カップ)表示にしたのだ。
それからというもの、スウェーデンのお菓子作りに欠かせない道具が、dlカップと、大さじ、小さじ、小さじ1/4の計量スプーンの4点セットだ。
お菓子レシピは、ほぼこの4つで計量できるようになっている。バターはg表記だが、決まった重さで売っているので、200g中50gを使うなら4分の1にざっくりと等分すればOK。
多少の誤差があってもおいしくできるスウェーデン菓子
人によっても季節によっても多少の誤差は出てしまうが、そんなことは問題ない。誤差があっても、できあがりはおいしい。
それは実証済みだ。何度か1dlですくった小麦粉や砂糖をスケールで計り、誤差のあるまま作ってみたが、味に大差はなかった。
計量のみならず、工程も簡単なものが多い。夏にオススメのチョコレート菓子の記事でも書いたが、チョコレート菓子にココアパウダーを使用したり、卵は白身と黄身を分けることなく、だいたいのレシピは全卵使いだ。
合理的で簡単、アバウトなのがスウェーデン流のお菓子作りなのだ。
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