スウェーデンにはお菓子やお料理のテーマデーがたくさんある。「ザリガニ」や「セムラ」など、その時期にしか食べないものはもちろん、「シナモンロール」や「ミートボール」のように日常的に食べているものでさえ、なぜかテーマデーには積極的に食べたくなるし、特別に感じるのだそう。
日常の食シーンにも、特別な日の食シーンにも欠かせない料理
北欧料理といえば、「ミートボール(Köttbullar/ショットブッラル)」を思い浮かべる人は多いのではないだろうか。実際に、スウェーデンでは家庭や学校の給食で、日常的に食べられている。
また、クリスマス(Jul/ユール)や復活祭(Påsk/ポスク)など、特別な日にも必ず登場する国民食だ。
8月23日はミートボールの日(Köttbullens dag/ショットブッレンス・ダーグ)。
「ミートボールは母の味」といわれるだけあり、家庭によって材料や作り方はさまざま。
牛や豚、羊やヘラジカなど、肉の種類はもちろん、玉ねぎを入れる、入れない(1900年代初頭までは玉ねぎは入れていなかったそうだ)、入れる場合はみじん切りなのかすり下ろしなのか、味付けのスパイスに何を使用するか……。これらによって味は大きく変わってくる。
肉自体にスパイスでしっかり味をつけているため、焼いてそのまま食べる家庭も少なくないが、グレービーソースをかけるのが一般的だ。
日本人にはちょっと驚きの「ジャム添え」がスウェーデン流
食文化というのは、その国々で特徴があっておもしろい。
スウェーデンのミートボールは、日本人から見れば「えっ?」と思ってしまう組み合わせで食べられる。
それは、グレービーソースをかけたミートボールに甘いジャムを添えるという食べ方。
私も初めて食べたときは躊躇してしまい、ほんの少しだけジャムをつけて恐る恐る食べたことを覚えている。
ところが、これがなかなかいけることに驚いた。添えるのは「リンゴンベリー(コケモモ)」のジャムだ。甘みだけでなく、リンゴンベリーの酸味も加わり、なんともまろやかな味わいになる。
旬の8月には、生のリンゴンベリーに砂糖をまぶして、フレッシュリンゴンベリージャムを添えることも。この時期だけの贅沢だ。
スウェーデンの主食は「じゃがいも」
スウェーデンの主食が「じゃがいも」だ。
ミートボールにも、必ず大量のじゃがいもが添えられる。
じゃがいもの調理の仕方も家庭によってさまざま。
マッシュポテト、茹でただけのジャガイモを丸ごと、茹でてカットしたじゃがいも、茹でて潰しただけのじゃがいもなどなど。
とにかく、びっくりするくらい大量にポテトを食すスウェーデン人だが、日本でもよく知られている「ヤンソンさんの誘惑(Janssons frestelse/ヤンソンス フレステルセ)」や「ハッセルバックポテト(Hasselbackspotatis/ハッセルバックスポターティス)」など、おいしいじゃがいも料理がたくさんあるので、ぜひお試しを。
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