建築家と家を建てる。その前に悩ましい建築家選び。7坪ハウス流・建築家の選び方(前編)

建築家と家を建てる。その前に悩ましい建築家選び。7坪ハウス流・建築家の選び方(前編)

「建築家ってどうやって選べばいいの?」
結構むずかしい問題だ。
7坪ハウスの場合、決め手は「こんな模型、見たことない!」。
ドールハウスのような家の模型が7坪ハウス誕生のきっかけだった。

***なぜ、小さな7坪ハウスを建てようと思ったのか。その理由はコチラの記事をご覧ください。

この人たちなら、きっと丁寧な仕事をしてくれる!

建築家と家を建てたいと思ったとき、最初に悩むのは「誰にお願いしたらいいんだろう?」ということではないだろうか。
憧れの建築家がいて、その方に依頼できれば一番いいけれど、特定の建築家がいなかったり、諸事情で意中の建築家にお願いできなかったりすると、非常に困る。

私はゼロからの建築家探しだったけれど、スタート時点から家づくりコーディネーターに相談していたので、土地に続き、建築家探しもお願いしていた。つまり、人任せだった^^;

**家づくりコーディネーターについては、↓こちらの記事をご覧ください。

2010年の暮、コーディネーターさんから「相性の良さそうな建築家を数名ピックアップしました」と連絡があり、2011年の年明け早々に最初の建築事務所「オンデザインパートナーズ」にアポをとってくれた。

そして、初顔合わせの日、オフィスのミーティングスペースに通されたときの高揚感はいまでも忘れられない。
「なにこれ! こんな模型、見たことない!!」
これが最初の感想だった。

家の模型というと、真っ白な箱というイメージだったけど、ずらりと並んだオンデザインの模型はまるで違った。色がついているのはもちろん、家の中には家具や小物まで配置されていて、すぐに未来の楽しそうな暮らしがイメージできる。

私が初めて訪れた2011年1月には、ミーティングスペースの壁際に、
ずらりと模型が飾られていた。現在、事務所は移転している。

顔合わせでは、建築事務所の説明を受けたり、「なぜ、建築家に依頼しようと思ったのか」「どんな家を建てたいか」などの質問に答えたり、具体的な話というよりもぼんやりとした理想の話に終始した。その間にも、ふらふらと模型を見ては、建築家に質問したりしていた。

最後に、「ゆっくり決めてください」と言われたけど、私はその場で「ぜひ、お願いします!」と即答。
ミーティングスペースに通された時点で、すでに気持ちは決まっていた。「こんな緻密で素敵な模型を作っているのだから、本物の家づくりに関しても丁寧な仕事をしてくれるだろう」と感じたからだ。

その後、オンデザインが手がけた住宅のオープンハウスに行った。オフィスで模型を見た家だったのだが、本物を見て驚いたのは「模型の原寸サイズが建っている」ということ。いかに、模型が緻密に作られているのか、そしていかに模型のイメージがそのまま具現化されているのか、実感として知ることができた。

7坪ハウス流・建築家の選び方は、かなりイレギュラーな決断方法なのであまり参考にはならないと思うけど、建築家との相性なんて実際にお願いして、プロジェクトがスタートしてみなければわからない。
小さなことでも、これまでの建築家の仕事に対して「すごい!」と思える部分が見つかれば、依頼してみる価値はあるかもしれない。

精密に作られたミニチュア家具

模型の感動が入り口だったのだから、自分の家の模型はそれはそれは楽しみにしていた。初顔合わせの後、設計前のヒヤリングで具体的な要望を伝えたとき、使用している家具の写真とサイズ、食器や雑貨などの写真がほしいと言われた。
模型には、実際の家具のミニチュアが配置されると聞き、意気込んで写真を撮影しサイズを記入にして、建築家に送った。「完璧です!」の返答に、またまた模型への期待が膨らんだ。

そして2か月後、いよいよ模型との対面(東日本大震災の影響で1か月ずれた)。
ミーティングルームに入った途端、他の模型たちと一緒に並んでいる外壁がグレーで三角屋根の模型に目がいく。ドアの横に「FIKA」の文字を発見! 

最初に提案された模型はこんな感じだった。
図面も準備されていたけれど、模型からのアプローチは非常にわかりやすかった。

期待通りのクオリティ。実際に使っている椅子やテーブル、棚などが、本物のような佇まいであちこちに配置されているのを見て、まずは素直に感動だった。アップにして家の中の写真を撮ると、模型なのか本物なのかわからない。

同時にわたされた「コンセプトブック」がまた素晴らしく、ぼんやりとしていた家づくりのイメージが明確になった気がした。
ヒヤリングの際のとりとめのない私の話を、実に的確に理解してくれ、さらに言語化してくれていた。

手づくりのコンセプトブックと最初の模型。
著書『小さくてかわいい家づくり』より。

建築家全員に当てはまる特徴なのかどうかは不明だけど、少なくとも私が依頼した建築家たちのヒヤリング力の高さには驚かされることがしばしばあった。
最初の設計ミーティングで、「やはり建築家選びは間違っていなかった」と感じた。

設計については、いろいろと変更することになるけれど、その都度、図面と一緒に模型もバージョンアップしていくことになる。

*後編では、「模型で見る、住居スペースの変遷」をお届けします。

  * * *

「オンデザインパートナーズ」が手がけた住宅の模型のみを紹介した本が出版されています!
それが、↓こちら。7坪ハウスも掲載されているので、ぜひご覧ください。

PAGE TOP